期待し過ぎた分そこまでお洒落に見えなかった 『キングスマン ゴールデンサークル』
方々の記事で劇中のスーツ衣装が洒落ていると話題ですが、うーん、確かに格好はいい、、でもあれくらいのスーツの着こなしができる人、日本でも普通にいるよね、という印象でした。
キングスマン ゴールデンサークルを見てきた感想です。
トピック「キングスマン」について
映画自体の感想
1作目は見てなかったんですが、コメディ感の強いアクション映画なんですね。よくある、ストーリー展開で唸らせるスパイ映画とは少々趣が異なりました。エンタメ色が全面に、って感じで、個人的にはそれも微妙でした。伏線込めまくり、裏切り連続の映画が好きなもので。。。
スーツ以外では、ガジェット好きには刺さるのかなと思います。部屋や車の隠し装備、スカウターよろしく相手のステータスを視る眼鏡、コナン君みたいな麻酔銃時計、鞄や靴、傘が武器に早変わりしたりと、そこは終始ワクワクしてました。
人が死ぬシーンは、鮮血多めで、可もなく不可もなく。ミンチ機に突っ込むのはいいグロさでしたが、1回で良かった。あれだけのグロさ、2回も使ったら有り難みがなくなっちゃいます。ここだけ切り取ると、デートには選ばない方がいいですねぇ。
お色気シーンも中途半端。もう少しセクシーな女優さん選べたんじゃないの?って感じです。特に敵の女性スパイ。映画の中では、ドラッグがひとつのテーマになってるんですが、顔立ちや体型はやせ細っていて、文字通りのジャンキーにしか見えませんでした。ヒロインもなんだか、お上品さはあったんだけど、どこか幸薄め。。
他のキャスティングはよかったです。メインキャストは前回からの登場のようなので文句も何もないですね。後半からの登場ですが、カウボーイハットをかぶってジーンズセットアップを着たアメリカンスパイが、精悍で格好よかった。大統領はご時世的にトランプに寄せて欲しかったかな。役柄もクソな人間だったので。
スーツ衣装の感想
予告動画のスクリーンショットで拾えた画像を元に、劇中の衣装を見ていきます。
グレーのストライプ、ダブルスーツ。肩周りもガッチリしてて、いかにもイギリスですね。
レギュラーカラーのシャツに、ネイビー×ゴールドのレジメンタルタイ。チーフは白をスクエアで。
結構シンプルですよねぇ。ネクタイにはディンプルなし。なんで?あえて?
この基本から、ほぼ動きがありません。
ライトグレーのダブルと、ネイビー無地のダブル。
シャツ、ネクタイ、チーフは上とまったく一緒。クラブタイということで皆このネクタイを着けているんですよね。
そこが、ファッションを第1の楽しみに見ると少し残念だったんです。もっとスタイリングの幅が見たかったな。まぁチャラチャラとせず、自分のスタイルでスーツを着通すのがジェントルマンの表現なんでしょうか。
干場さんもスーツスタイルはいっっつも一緒ですもんね。
英国紳士はそんな着こなしするのか~~!と面食らう期待をしていた分、ストイックに正統派を突き進められると拍子抜けしてしまいました。
その一方で、ガールフレンド両親との食事シーン、オレンジのタキシード。
これはこれで、いかにも映画衣裳って感じでいやらしく思っちゃいました。イギリス紳士、畏まった場で本当にこれ着るか?と。
何なんでしょうね、天邪鬼なだけですかね。
勉強になったのは、ホワイトの分量。
シャツの襟、チーフ、袖口。ポイントで入る白が硬派な格好良さを引き立ててはいました。
特に袖の取り方。吊るしのスーツじゃ得られないシャツの1cmの覗き具合です。派手なアクション中でもこのバランスが狂わないんですよね。スーツだけじゃなくって、シャツの桁丈も合っていないとこうはなりません。
結局、サヴィルロゥでスーツを仕立てることの意味ってそこなのかなと思いました。スーツは勿論のこと、シャツから何から自分に合ったものを着るのが紳士の嗜みなんだぞと。ネクタイがなんだ、ジャケットがなんだ、チーフがなんだ、その前に大事なことがあるだろうと。
当然、制作の意図も明確にあるみたいです。
なるほどなぁ。
でもやっぱりズバ抜けてお洒落には感じなかったんです。期待し過ぎていた分。
おわり
TOHOシネマズ六本木に観に行ったんですが、上映中、機材トラブルかなにかで映像だけ途切れる場面が3、4回ありました。余計になんだかなぁ~~と思っていたところ、エンドロールが終わった後、係員の人が「本日は映像に乱れがあり大変失礼いたしました!」とのことで、全員に次回無料鑑賞券が配布されました。
こんなこともあるんですね〜。
またオーダースーツを作りたくなって帰路につきました。